抱えないケアという介護の新たな取り組み

日本の介護の現状として、医療技術の発展により要介護者の割合が増えている今、介護業界での人手不足が深刻な問題になっています。
人手不足の原因に、「27年度 厚生労働省発表の介護人材の確保について」でも発表された介護者の腰痛が挙がっています。
福祉大国であるスウェーデンを始めとしたヨーロッパ諸国やアメリカでは、このような要介護者の腰痛を解消するべくノーリフティングケアという対策が1970代から取り入れられています。
このような対策は海外では既に定着していて、介護者の身体的負担を減らすだけではなく、要介護者の自立の意識にも役立っています。

ノーリフティングケアは、介護者が人力のみで要介護者を移乗させるのではなく、福祉用具や福祉ロボットを活用して要介護者を抱えるケアです。
介護者の腰への負担を抑え、さらに要介護者の自立度を考慮して行おうという対策です。
日本では、要介護者の身の回りのケアを全て行うのが良しとされてきましたが、こうした問題に直面したことにより、ノーリフティングケアが2008年頃から日本でも取り入れられています。
厚生労働省は2021年4月の介護報酬改定で、ノーリフティングケアに取り組む介護事業所に対して評価の検討を行う事を明らかにしました。
これにより、ノーリフティングケアを導入する介護事業所が増えていくことでしょう。
今後ますます介護職での人材確保が重要になってくる中で、このような対策が進むことは現場で働く人々にとってより働きやすい環境が整っていくことになります。
ノーリフティングケアについて言及したおすすめサイト⇒http://nolifting-care.com